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「え……ホント?!」
「ホントだよ? だから……お願いっ」
なんか2人の会話が少し聞こえてくるが、内容が分からない。
「俺達……蚊帳の外ですね」
「唯さん、一生懸命説得なさってるんですよ」
美雪さんは微笑みかけていった。ま、ここは唯に任せておくか。
そんな些細な会話をしている中、話がおわったみたいで、楓さんが俺達の間に飛び込んできた。
「ねぇ、お菓子がいっぱいあるって本当?!」
「お、お菓子?」
お菓子って……彼女は何を言い出すのか。いきなりでなんのことやら分からず、唯の方を見ると親指を立てて合図を送ってきた。……なんて言えばいいんだ?
「あ、一応いっぱいある……と思う」
「本当だね?!」
「ああ……多分」
なんと言えば分からず、そんな曖昧な返事をすると、楓さんは無邪気にこう言った。
「じゃあ、私が4人目の部員になってあげるわ! 少しは感謝しなさいよ?」
「へ?」
「だから今日から茶道部を辞めて、そっちの部活にくるから!」
ん?一体何なんだこの急展開は……
「ということで、はれて今日からそちらの部員ということになるんだけど、まずは部室まで案内してもらえないかな?」
「あ、じゃあ私何もしてないし……私が案内します」
それを言うと俺もしていない事になるんだが……
そんなこんなで美雪さんと楓さんは部室へ向かったようだ。
「なあ……唯、何吹き込んだんだ?」
「えへへ……楓ちゃんはお菓子が大好きだから、こっちにはいっぱいあるっていったの」
唯ったら物で釣ってるじゃないか……そんなのいけないよ。
「……でも他にも少し言ったうえで、楓ちゃんは部活に興味もったんだよ?」
「……何て言ったの?」
「うーん……内緒!」
「……」
まぁ何はともあれ、明日からまた一段とうるさくなる訳だ。
完全に部活が立ち上がるまであと1人。
このまますんなりと誰かが部活に入ってくれる事を望む。
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