115人が本棚に入れています
本棚に追加
その翌日――――― 私は学校に眼帯をしていった。
母とは朝から口も聞いていない。
と言うより母より先に起き母より先に家に出たため会ってすらいないのだ。
早朝―――。
静かで朝もやが上がってる。
東京でもこんな神秘的な物が見れるとわ。
「眠っ…」
眠い目を擦りながら歩いていると、いつの間にか私は池神商店の前に来ていた。
「そりゃ…閉まってるか」
何を期待していたのか私はお店が閉まっている事に肩を落とす。
あの男性に話を聞きたかったのか私は… 話をしても私の左目が戻ることは無いのに。
「はぁ…」
そう溜め息をつき肩を落としながら歩いていると目の前から浴衣姿の男性が歩いてくる。
「あっ…君は昨日の…」
あの人だった。
「おはようございます」
「うん、お早う…ずいぶん早いご登校だね」
「家にいたくなくて…」
「ふ~ん…」
「そっちも…早いですね…?」
「池神」
「え…?」
「池神時御(イケガミトキオ)…僕の名前だよ」
「池神さん…」
「そっちは?」
「夏実です、古河夏実」
「夏実ちゃんね…」
すると池神さんは、何かを睨むように私を見る…いや正確には私ではなく私の後方あたりだ。
最初のコメントを投稿しよう!