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数分後――
「――これが私の見たくない全てです」
「なるほど…母親が浮気ねぇ」
私は全て話した。
母親の事、学校での事…。
聞く際、池神さんは何も意見は言わず相づちを打ちながら黙って聞いてくれた。
「親の問題は一番背けちゃいけない問題なのかもね」
「え…?」
「イヤなら君から言い出すべきだ、道はいくらでもある。
君は自分を抑え過ぎだよ」
「言うって言ったっって無理ですよ…母は私の事なんて…」
「はたしてその決断で…オキザリは目を返してくれるかな?」
すると池神さんは私の後ろの何かに手を触れると、口からまた呪文の様な物を呟いていく。
「コノ世二在ル、数多ノ事象、人二災イシ阻害ノ闇、今コソ姿ヲ現サン」
池神さんがそう言うと、急に私の後方に何かが現れた様な違和感を感じた。
「見たまえ…これが君が引き起こした事象…君の左目を奪った【オキザリ】だ」
私は池神さんの言う通り恐る恐る後ろを振り返るとそこには――――
「ウソ……!?」
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