ケースNo.01 古河夏実『オキザリ』上

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私の後方には、瞼に写ったあの黒い丸が浮いていた。 いや…私の気のせいでなければ、あの時よりドス黒くなってる…。 「後は言った通りだ…オキザリに君がお願いするんだ」 「お願いって言ったって…私は何も…!?」 「おや…あまり事象を怒らせる物じゃないよ」 するとその黒い丸は血のように赤い巨大な眼光を開き私を睨み付けるように見る。 「ひっ…!?」 「現れてそうそう随分ご機嫌斜めな奴だねぇ」 「な…あっぐ!?」 私が一歩下がった瞬間、その【オキザリ】と呼ばれた黒い物体は更に瞳を強く開けると私の身体は金縛りを受けたように動けなくなってしまう。 「っあ…!?」
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