ケースNo.01 古河夏実『オキザリ』下

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私はそのまま学校に出校し、自分の席で先程もらった眼帯をジッと見つめる。 「…はぁ」 「――河」 「……」 梵字の表示された黒い眼帯…見た目からして決していい物じゃないのはわかる。 でもこれなら――― 「―――古河」 「はぁ…」 「古河夏実!!」 「あてっ…!?」 考え事に集中していると、それを切り裂くように頭に何かの衝撃が伝わった。 「…あ」 上を見上げると教科書を丸めた担任の姿がそこにはあった。 担任と言うより鬼の様な形相をしたオッサンがいた。 「溜め息が随分出るんだな?そんなに俺の授業が退屈かぁ?古河?」 「あっいや…そういう訳じゃ」 クスクス… 「…!?」 回りが嘲笑っている声が聞こえた。 まぁ日常茶飯事の事だ…我慢我慢。 「放課後職員室に来なさい」 「…はい」 そう言ってゆっくりと席に座ると、回りの笑い声はさらに多くなる。 「…」 私は皆から目を背けるように外へと視界を移す。 何も聞きたくない…、何も見たくない…私には関係無いもの…。 「…だるい」
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