ケースNo.01 古河夏実『オキザリ』下

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休み時間――― 私はいつも通り屋上へと1人で向かう、階段を昇るその途中…自分のクラスの副委員長にあった。 「古河…」 「…赤澤君?」 彼は赤澤流伊(アカザワルイ)、ウチのクラスの副委員長。 バスケ部の主将で運動神経が抜群で女子ウケがいいとよく聞く…正直、話すのはコレが初めてだ。 「古河も屋上に用…?」 「…関係無いでしょ」 私は誰とも話したくなく、彼をスルーして屋上への階段を昇る。 「お前、どうしていつも1人なんだ?」 その一言が私の足を止めた。 「…それが何?」 「いや…何って言うか…」 「関係無い…よね?」 「あ…あぁ」 イライラが増してくる…。 誰とも関わりたくないのに…。 「放課後…頑張れな」 「…ありがと」 私は素っ気ない返事をして、その場を通り過ぎていく。 …同情かしら? やめてよ…必要ないから1人にして。 それが本音だ感謝する言葉など思い浮かばないわ。 「…嫌な女、母さんみたい」 私は何故か今の自分を母親ダブらせた。 私は母みたいにはなりたくない…でも似てるんだ…あの人に。
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