ケースNo.01 古河夏実『オキザリ』下

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これは罰なのだろうか…。 深夜の外の風は嫌に私の身体に突き刺さる。 「これもアンタが奪っていったの…?」 私は怨みを込めながら後ろにいる何かに言葉を投げつける。 返事は無い…。 「返してよ…私に返して…」 初めて膝をついて泣いた、父のあの顔が忘れられない。 「懺悔はまだ早いよ…」 すると後ろから1人の男性に声をかけられる。 「池神さん…」 「夏実ちゃん…責任転嫁もそこまでくると見苦しいよ」 「どういう…意味ですか…」 その言葉に私はイラつき池神さんに挑発的な態度を取った。 「立ちなよ…ついてくればわかるよ」 池神さんは膝をつく私に手を差しのべるでもなく、ただ私を突き放す様に先に進んでいく。 「…待ってください」 「早く来なさい…」 彼の言葉には明らかな怒りの表現が隠されているのがわかった…。
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