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これは罰なのだろうか…。
深夜の外の風は嫌に私の身体に突き刺さる。
「これもアンタが奪っていったの…?」
私は怨みを込めながら後ろにいる何かに言葉を投げつける。 返事は無い…。
「返してよ…私に返して…」
初めて膝をついて泣いた、父のあの顔が忘れられない。
「懺悔はまだ早いよ…」
すると後ろから1人の男性に声をかけられる。
「池神さん…」
「夏実ちゃん…責任転嫁もそこまでくると見苦しいよ」
「どういう…意味ですか…」
その言葉に私はイラつき池神さんに挑発的な態度を取った。
「立ちなよ…ついてくればわかるよ」
池神さんは膝をつく私に手を差しのべるでもなく、ただ私を突き放す様に先に進んでいく。
「…待ってください」
「早く来なさい…」
彼の言葉には明らかな怒りの表現が隠されているのがわかった…。
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