ケースNo.01 古河夏実『オキザリ』下

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左目を失った理由…そんなの知らない。 私のせいじゃない…だって私は何も悪くない。 「答えられないなら、答えられないと言うんだ…」 「そ…それは」 答えられないと言え!!私には浮かばない!!何も知らないんだ!! 何も悪くないのよ!!私はぁ!! 「答えられない訳じゃない…君は認めたくないだけだ」 「認めたくない…」 「家族仲が不仲なのは自分には責任がまったく無いとね」 「わ…私は…私は」 私は悪くない。 悪いのは親だ…母がアイツが悪いんだ!! 「現実から逃げるな…君が右目で見ているのは紛れもなく君自身の現実なんだよ」 「現実…」 右目で見えた…現実それは―――――― 「右目で見た現実…私が逃げて見なかった事実…」 「それはいったい何かな…」 「家族の事…学校の事…そして私自身…」
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