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「何か…する…事…?」
動けない私に、オキザリはゆっくりと近付いてくる。
「い…池神さん?」
「助けると思ったかい?…違うよ、そこまで世の中甘くない」
私に近付いくオキザリを尻目に彼は腕を組ながらまるで観察をするようにジッと様子を見ている。
「あぁ…!?」
するとオキザリから黒い触手な様な物が現れ私の首を絞めていく。
「っあ…あ…!?」
息が…できない…。 助けて…。
「…!?」
「君は何の為に僕にお祓いを頼んだんだ…ただ単に左目を取り戻すだけかい?」
質問をされるが私の意識はどんどんと遠退いていく。
「はぁ…手荒いのは好きじゃないんだが……そらっ!!」
池神さんはオキザリに蹴りあげると、オキザリは綺麗に壁に吹き飛び池神さんは追撃にまた蹴りをくらわせ壁と蹴った足の間にオキザリを挟み磨り潰すように力を込めていく。
「かはっ…げほっげほっ!?」
解放された私の視界には女のような悲鳴を上げ苦しむオキザリの姿とオキザリを睨み付ける池神さんの姿…。
「げほっ…はぁはぁ…」
「やりたくなかったが…こうなったら仕方ないねぇ」
このまま池神さんが蹴り潰せばオキザリは消える…。
その時、私の頭には違うことが浮かび上がった。
「これで…」
これでいいのか?
あのままオキザリが消えて左目が戻っても私が目を背けた物は…見えてくるのか?
「嫌…見えてこない…」
私は無意識に這いつくばりながら池神さんの所へとゆっくりと近付いていく。
「どうした?…このままでも解決はできるよ?」
「待ってください…お願いします…私にやらせてください」
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