ケースNo.01 古河夏実『オキザリ』上

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学校の屋上…。 私の大好きな場所、口うるさい担任や影でコソコソ言う皆から離れられるし、何より1人になれる。 「あぐ…」 焼きそばパン食べづらいけど好き、私はお弁当なんて一度も作ってもらった事はない。 大嫌いな母が作ったご飯なんて誰が食べるか…。 「いっ…!?」 急に左目を針か何かで突き刺した様な痛みが走る。 「いてて…」 痛みはだんだん和らげていき気持ちも楽になるが、私は足元に転げ落ちた食べかけの焼きそばパンを見て再び肩を落とす。 「明日からは眼帯でもしていこう…」 そう決心を決め、もう1つ買った焼きそばパンの袋を開ける。 バカだと思うだろう、同じ物を2つ買って…でも違う、私が購買に買いに行くときはいつも焼きそばパンしか残っていないから。 早めに買いに行くのはイヤ。 その度に、周りから腫れ物みたいな目で見られて気分が悪い、それもこれも左目のせい…? いや…それとも私…?
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