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「あっと…ちょっと!?」
私より先に池神さんに広い上げられる。
「コレ…三者面談の用紙じゃないか」
「昨日…池神さん家に行く前に、玄関を出たら落としたみたいで…」
あからさまにもじもじし出す夏実に、池神は妙な違和感を感じ出す。
「あ~なるほどね…」
池神は用紙の【とある部分】を見て夏実のあからさまな異変の理由に気付く。
「よかったじゃないか…もう心配は無いようだな」
「はい…お陰様で」
あれから私は変わった、親に対しての見方も―――
「池神さん?返してくれます?」
「鉛筆かったら返してあげる」
「買うわけ無いじゃないですか、あんな原始的な「はい、没収」
「ウソウソウソ!?」
池神さんは用紙を手で丸めてゴミ箱へと放り投げた。
昨日とは打って変わった彼にビックリだ、彼は神の皮を被った鬼だったのだ。
ゴミ箱の用紙を探す夏実を池神は、鼻で笑いながら見据える。その右手には綺麗に折り畳まれた三者面談の用紙が握られていた。
「ふっ…何が恥ずかしいんだか」
その用紙にはキッチリと夏実の父の名前と実印があり、出席の方に丸い囲みがしてあったのだ。
それは彼女が勇気を振り絞って親との掛け合いに出た初めての事なのだろう。
当然の事でも見落としがちな物事…アナタも目を背けているなら、決して目をそらしてはいけない。
物事を直視する勇気こそがその人を強くする第一歩なのだから…。
「池神さ~ん!?用紙な~い!?」
「あ~ココだよ、ココ~」
「死ねぇ――っ!!」
「うわぁっ!?」
ケースNo.01『オキザリ』解決。
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