熊のクローゼット

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バス停と話す男は乗り込んだが、すぐに降りてきた 「なんで[Q]が使えねえんだよ」 バス停と話す男は怒っていた バスは発車した 『大脳皮質「そろそろ慌てようかな」 脳幹「まだ早いよ」』 バス停に[ロバ]が来た よく見たら、[ロバ]に就職した男だった 私は、出来れば人間に就職したい モノとか動物とかは、嫌だ 『面接官「君は、[地面]に決まったよ」 私は[地面]に就職した 仲間たちと地面っぽく寝そべった 二交代残業手当無し 私はピンヒールで踏まれた 声を出そうとする私の口を仲間が塞いだ 「[地面]は、痛い、とかは言わないぞ」』 早く、 [就職選別面接会]に行かなくては バスが来た いや、バスの形をした段ボールが来た 現代芸術作品みたいだ 中に人が入っていた 乗降口には作品批評が書かれている 『本作品は段ボールでバスを作る事により、手作りの暖かさと幼児期へのオマージュを表現した、意欲的な作品である』
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