熊のクローゼット

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バス停と話す男も乗り込んだ 席は15席程で、全席窓から外が見れる 運賃はどれくらいかな まあ、仕方ないか 小型ジェット機は離陸した 「お飲み物をどうぞ」 私はウェルカムドリンクを飲みながら外を見た とても、速い [機内放送] 『次の着陸地は韓国ソウル市ヨジュ小学校前です』 私の自我は再び無意識下に逃亡した 『また講義室だ 講師は熊で、受講生は私一人だ 「思想的課題に関する講義を始めます [新自由主義]の台頭により個人への制約が低下した つまり個人がより自由を得る機会が増えたという事実は、 一つの危機である 犯罪を抑制するコミュニティの機能低下を表すからだ 人は、犯罪者になる自由も得てしまった」 私は挙手した 「その論点は犯罪の助長になりませんか」 熊は顔を横に振った 「いかに[新自由主義]に抑制を組み込むかが、思想的課題なのです」 大脳皮質「おーい、そろそろ戻っておいで」 自我「はーい」』
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