熊のクローゼット

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顔がないと就職先も限られそうだ 『就職選別面接会 面接官「珍しいね君、顔がないね」 私「[熊のクローゼット]の爪で削られちゃって」 面接官「運動神経が鈍いんだね」 私は[電柱]に就職する事になった 毎日電線を持ってジッと立った 三交代夜勤あり その日は仕事が終わると仲間たちと飲みに出かけた 「面接で仕事を決めるってのは乱暴だな」 私は言った 仲間は小声で、 「[原子炉のゴミ運び]よりはマシだぞ」 と言った』 熊を起こすのは止めよう 私は狭いワンルームを歩き回った 寝間着を着て寝たはずだが今朝は裸だ つまり、どこかに寝ぼけて脱ぎ捨てたのかもしれない 私は探し回った 熊が体の下に隠していた どうやら私が寝ている間に脱がしたみたいだ 熊め、寝ぼけたな 仕方ない、マヨネーズバカ(本名、武田雅也・愛称、マー君)に服を借りようか 私は水槽の中に手を突っ込み、 [ロブスター携帯電話]を掴んだ ハサミは紐で縛ってある
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