16人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
授業中、ペンがまともに動かない時がよく有る。
ティアのクラスが体育の授業らしく、クラスメートと一緒に校庭に出ている。
「あいつに悪い虫が付かなきゃいいけど・・・」
気付けば、あいつを視線で追っていた。
気付けば、あいつの事を気にしていた。
「痛・・・!?」
「授業を聞いていましたか、ルーク?」
・・・気付けば血のように赤い視線が俺に突き刺さっていた。
視線を机の上に反らすと短いチョーク。
どうやら額に当たったのはチョークらしい。
「・・・聞いてたぞ、・・・多分・・・」
「校庭に気になる女子でも居ましたか?
青春ですねぇ」
ほっとけ、この陰険ロン毛教師!
「・・・はぁ・・・」
どうにもこの教師を相手にしてると疲れが溜まる。
放課後の部活で鬱憤を晴らすとするか・・・。
俺は周りに合わせ、教科書のページをめくる。
だが視線は自然と校庭に向かう。
そしてマロンペーストの髪を捜していた。
「ルーク~?
本当に授業を聞いていますか?」
視線を前に戻す。
相変わらず黒板に文字の羅列を並べている教師が、そのままの姿勢で俺を名指しする。
「あんた、背中に目でもついてるのか?」
「人を化け物みたいに言わないでくださいルーク」
充分化け物だ、あんたは
最初のコメントを投稿しよう!