警察官と水神と風①

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暑い、干からびる。 私はそう思った。 山や川が囲む奥多摩町で最も辺鄙な村、水神村。 そこに設置された駐在所は、正直暑さと寒さに耐えるためだけに作られたようなものだ。 私は半年前にここに赴任し、以来妻と娘ふたりでこの村に暮らしている。 妻と子は、田舎暮らしにすぐに慣れてしまって楽しそうに過ごしていた。 だが、私は不満だった。
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