警察官と水神と風①

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ごうごうと水が落ちるそこに、幼子と犬の姿はなかった。 まさか、川に流されでもしたのではと思っていると、声が聞こえた。 「かなり壊れているな。」 どうやら、その声は滝の裏から聞こえてきたようだ。 水神滝の裏は、かろうじて人が入れるようになっていて、そこには壊れかけの祠がある。 地域の人の伝承によれば、この村の神、水神様の寝床なのだそうだ。 私は濡れながら滝の裏に入る。 そこには、幼稚園ぐらいの幼子と犬がいた。
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