警察官と水神と風①

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「ここで何をしているのかな?」 私は膝を落とし、目線を合わせながら言うと、その子は言った。 「水神の祠を見に来ました。」 子供が喋っているようには見えない、穏やかで落ち着いた様子。 まるで、老人と話しているかのようだ。 「お父さんとお母さんは一緒じゃないの?」 「ええ、まあ。」 「どこから来たのかな?」 「遠い所からです。」 その受け答えは、幼いからわからない、ではなく、大人のやるはぐらかし、の印象を受けた。
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