『※売店にでも行ってみるかな。』

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  「得にこれらなんか、どんな味がするのか、すっごく楽しみなのよ!」   時美が指さす方を見てみる。   そこには……。     ‘苦みと酸味のコラボレーション、ピーマン風味のイチゴ味饅頭’   ‘ぴり辛酸味のマスタード風味のイチゴビスケット’   上等温泉限定‘タバスコとイチゴの上等ケーキ’     「あ、あのさ、あきらかに組み合わせ間違えてますよね……普通はさ、リンゴとイチゴとか……クリ(モンブラン)とイチゴとかじゃないか」     「はあ~分かってないわね深壱は……その組み合わせだと、どこにでも売ってそうなものじゃない……けどこの‘変わってるぜシリーズ’は普通にはない味を楽しめる所がうりなの、普段の生活では味あう事の出来ない味を楽しめるからいいのよ、分かった!」   「あ、はい、分かりました!」   こ、ここまで時美が熱く語ってくるとは思わなかった。   そんなに凄いのか……変わってるぜシリーズって……。   「でもさ、一つだけ聞きたいんだけど、このタバスコとイチゴの上等ケーキって……美味しいのか?味の想像が全然出来ないんだけど……」     「食べてみる?こっちに試食ケーキがあるけど」   「え、試食があるのか?」   時美の言葉に反応して、試食を置いてある棚を見てみると……。   「……これ……ケーキ、だよな?」   「そうよ、さっき言ってた上等ケーキ」   「でも……このケーキ……」   深壱の目の前にあるのは、三角のケーキにまっ赤なクリームとスポンジ、その間にイチゴがはさまっている、赤一色で染まっているケーキ。     「食べられるん……だよな?」   「当たり前じゃない!じゃなきゃこんな所に置いてないわよ」   「……」   時美の言葉に、もう一度ケーキを見る深壱。     でもさ……この赤いのって、タバスコ……なんだよな。   このケーキって……甘いのか。   それとも辛いのか。     「はい深壱、ホークとケーキ」   「え、あ、ああ」   時美に差し出されたホークと、一口サイズのケーキを受け取る深壱。   ゴクッ……。   今俺の手には、一口サイズとはいえ、まっ赤なケーキがある。   これを食べるかいなか……。     そんな事を深く考えていると、時美がホークで俺のお皿に乗ってる一口ケーキをさすと、目の前まで持ってくる。  
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