2人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
私は深呼吸してから、話し始めた。
夢のこと。
彼のこと。
双子のこと。
玲は最初、信じられないといった顔をしていたが、やがて真剣に聴き入ってくれた。
「ってわけなんだ…」
話し終えると、玲は目を閉じた。
そして一回頷くと、言った。
「なんかロマンチックじゃない?千年も前の殿方を今もなお想い続けているだなんて!」
男の人を殿方って言うなんて…。
と私は少し唖然としたが、
それよりも信じてくれた。
私はそのことが嬉しかった。
「玲…」
「そりゃあ、普通に考えたら、有り得ないことだよ。雪ちゃんじゃなかったら、馬鹿にしてたと思う。それに酷く憎らしく感じたと思う。自分に振り向いてほしくて、そんなことを言ってるんじゃないかって…」
玲は一呼吸おいて、私の目を真っ直ぐに見て言った。
「でもさ、雪ちゃんだもん。私には嘘つかないって信じてる。私と雪ちゃんは親友でしょ?前からそう言い合っていたでしょ?それは単なる形じゃなくて、中身なんだ。だから雪ちゃんの言葉を信じるし、もし馬鹿にするやつがいたら私がぶん殴る!」
ニッと玲は笑った。
最初のコメントを投稿しよう!