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玲の笑顔はとても眩しかった。
そして暖かいものだった。
私は玲に感謝の言葉を言った。
「気にしなくていいよ。だって雪ちゃんと私は親友だもん」
とあの笑顔でスキップしながら言った。
「それにね…」
玲は立ち止まり、上を見て数秒おいてから私を満面の笑みで振り返る。
「とっっても嬉しかったの。だって、そうでしょ?普通なら言えないことを私に言ってくれたんだもん」
親友か…。
いいな、と思った。
私は今まで友達と思っていた。
友達と親友の違いがわからなかったからかもしれない。
親友と言い合っていたのはただの形であって何の意味も持たない、と思っていた。
しかし違った。
親友という言葉は私達にとって単なる形ではなく、ちゃんと中身があるものだとわかった。
それは私に力をくれる。
自然と笑顔になる。
彼女が親友であること。
彼女と出会えたこと。
私はいるのかわからない神に感謝した。
私と彼女には繋がりがある。
それは強い絆。
それは安心。
夢に悩まされていた私はその悩みを忘れ、暖かい気持ちに満たされていた。
千年という時間を越え"彼女"と私が着実に繋がっていっている、というのに…。
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