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「雪ちゃん、その舞って今もできるの?」
今日は休日。
お昼に私の部屋の中、たった二人でいる。
玲はベットに腰を降ろし、足を落ち着きなくぷらぷらさせている。
「わからない…」
床の座布団の上に座っている私は下を向いた。
「なら、やってみればいいじゃない」
玲は立ち上がり、窓際に行って外を見た。
心地良いそよ風が玲の髪を撫でる。
「どこで?」
私は顔を上げた。
私の家には舞うことの出来るスペースはない。
玲の家にもそんなスペースはないはずだ。
「まさか…」
私はある場所を思った。
人がいなく、尚且つ風を感じることの出来る場所。
くるっと振り返り満面の笑みで玲は言う。
「もちろん…」
学校の屋上。
私と玲は次の日にその舞をやることを決めた。
授業と授業の間は短い。
だから、昼休みに階段の出入り口の反対の場所でやることにした。
今回は話さないし、見られることを避けるだけなので、そうした。
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