一冊目 忘れ物

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拾おうとすると、何故か弟の顔が思い浮かんだ。 何だか不安になってきたが、いくつか思い出した事がある。今日は弟の誕生日だ ケーキを買って、プレゼントも用意しなければ 中学に入学したら陸上部に入りたいと言っていたので、シューズなんかが良いだろう。弟はきっと喜んでくれるはず また一つ思い出したが、今度は涙が溢れてきた。弟にはもう会えない気がする でも、どうしようもない。もう迷う事も無い 僕はシューズを拾い上げた。もう不安も何処かに消えていた 「そっか、僕は―――」 夕焼けの空に、星が見えはじめていた
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