ブライト・キャット

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ブライトだった。 ブライトは意気揚々とこちらにやってくるのだった。 ブライトは大きな缶のゴミ箱を口にくわえていた。 ブライトは少年の目の前までやってくると、 そのゴミ箱の中身を広げて見せた。 中に入っていたのはたくさんのサンドイッチだった。 どこで見つけたのか、ブライトはみんなのために、 食べ物を調達してきたのだった。 それまで鬼畜と化していた人間たちや野良猫たちは、 ブライトのサンドイッチを見て、一瞬戸惑った後、 ゴミ箱の缶の前にきちんと列を作って並びはじめた。 唖然としてその様子を見つめていた少年に、 ブライトがウインクをした。 人のために何かをしようというブライトの行為が、 人々に秩序というものを思い出させたのだった。 世界は再び始まった。 ブライトはニヤッと笑い、 少年の腕に飛び込んだ。
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