錯綜

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ステージの上。 懐かしい感覚。 ハッキリ言って今俺は幸せだ。 螢だったあの頃のように、 満たされている。 それでも あいつらのいないステージが何だか物足りなく感じるのは、 GLOWに未練があるからだろうか。 お前達も少しはそう思ってくれていたのかな? 俺がいなくなった時、 ――どうだったんだろう。 仲間のいないステージに上がるのは、 寂しくて。 悲しくて。 それでも ステージにいたい。 その想いが俺を突き動かしている。 ふいに肩を叩かれ、俺は隣を見た。 隣には大介がいて「楽しめよ」というように俺に笑いかける。 そう言えば 隣には大介がいたんだったな。 大介にそう言うと 間違いなく怒るだろうけど。 本当に、 大介には感謝している。 あいつらのいないステージは本当につまらない物だと、 俺に気付かせてくれたのは大介で。 ステージに立つ事を 心の底で諦め切れていなかった俺に、 ステージに立つチャンスを 与えてくれた大介は、 ――同時に。 諦めるきっかけを与えてくれた、 親友でもある――…。
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