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「あ、あんたは! 人斬り…人斬り似蔵ォォ!!
件(くだん)の辻斬りは、アンタの仕業だったのか!?
それに銀さんも…なんでここに!?」
「目的は違えど、アイツに用があるのは一緒らしいよ、新八君」
「うれしいねェ、わざわざ俺に会いに来てくれたってわけか。
コイツは災いを呼ぶ妖刀ときいていたがね、どうやら強者(つわもの)も引き寄せるらしい。
桂にアンタ。こうも会いたい奴に会わせてくれるとは、俺にとっては吉兆を呼ぶ刀かもしれん」
「桂さん!! 桂さんをどうしたお前!!」
「おやおや、おたくらの知り合いだったかい。
俺もおニューの刀を手に入れてはしゃいでたもんでね、ついつい斬っちまった」
「ヅラがてめーみてーな、ただの人殺しに負けるわけねーだろ」
「小太郎があんたみたいな、ただの人殺しに負けるわけないでしょ」
いつもは冷ややかな声や涼しい顔をしている餡だが、今回ばかりは声色もきつくなり、眉間に小さなシワができている。
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