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似蔵が木刀ごと銀時に紅桜で振り下ろすと、銀時は後方へ吹き飛ばされ木刀が、
パ キ ィ ィ
粉々に折れてしまった。銀時の身体は壁に激突した。
ド ゴ
「ぐっ…(野郎、着ぐるみでも着てんじゃねーのか。人間の力じゃねェ)」
(どー考えても可笑しいわね、アレは。人間の力じゃないもの)
「銀さんんんん!!」
「銀時!!」
餡は似蔵の前に、銀時を庇うようにして立った。
そして小刀を構え、斬りかかった。小刀は紅桜によって受け止められてしまった。
「くっ…(やっぱり違う…これは刀じゃない…コレは……!)」
「嬢ちゃん、先程から俺に向かってきたその勇気は認める…だがね、相手が悪かったねェ」
餡の左胸に、紅桜が突き刺された。
「餡さん!」
ボ ウ ン ッ
と白い煙をあげ、餡の姿はなくなっていた。
代わりに、人間のような形をした白いぬいぐるみが水面に漂っていた。
恐らくは餡の十八番(おはこ)の身代わりだろう、銀時はそれがわかるとホッとした。
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