399人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
新八が橋の上切る飛び降り、似蔵の右腕を斬った。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
似蔵の腕は川の中に落ちていった。
新八は振り返り、似蔵と向き合う形になった。
「アララ、腕がとれちまったよ。ひどいことするね、僕」
「それ以上来てみろォォ!! 次は左手をもらう!!」
新八と似蔵の間にしばらくの間、静寂が続いた。
だが、突然の笛の音によって、その静寂は破られる。
「オイ! そこで何をやっている!!」
「チッ、うるさいのが来ちまった。勝負はお預けだな。
まァ、また機会があったらやり合おうや」
似蔵はそう言うと、紅桜を拾い、去っていった。
「銀サン! しっかりして下さい、銀サン!!」
「ヘッ…へへ。新八、おめーは、やればできる子だと思っていたよ」
「銀さん、銀さーん!!」
新八の悲痛な叫びが、夜空に響いた。
最初のコメントを投稿しよう!