399人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ
餡の背後から音もなく、浪士の一人が斬りかかってきた。
ド ガ ッ
「ぐぎゃあああ!!」
襲い掛かってきた浪士を神楽が蹴り倒した。そして気合いを入れ、立った。
「ふんごをををを!! 餡!
私も一緒に戦うアル! 一緒に逃げるアル! 一緒じゃなきゃイヤネ! 一緒にヅラを捜すアル!
ヅラぁぁぁ!! 待ってろォォ。今いくぞォォォ!!」
「な…なんてガキだ」
餡と神楽はよろけながらも船の奥へ進んだ。
「いかん、工場の方に!!」
追いかけてきた浪士の足元に、神楽の傘の豆鉄砲が当たる。
ガ ガ ガ ガ ガ ガ
「ぎゃあああ」
工場の中を見た神楽は驚きからか恐ろしさからか、かすれた声しか出なかった。
「なんだ、ココ」
「どうしたの?」
中を見た餡も神楽同様、声が出なかった。
「そいつを見ちゃあ、もう生かして帰せないな」
ド ォ ン
辺りに銃声が響き渡る。
最初のコメントを投稿しよう!