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「なるほどね。高杉が…事情はしらんがオメーの兄ちゃん、とんでもねー事に関わってるらしいな。
で? 俺はさしずめ、その兄ちゃんにダシにつかわれちまったわけだ。
妖刀を捜せってのも要は、その妖刀に俺の血を吸わせるためだったんだろ。
それとも、俺に恨みをもつ似蔵に頼まれたのか…いや、その両方か。
にしても、ひでー話じゃねーか。お前、全部知ってたんだろ? 兄ちゃんの目的をしったうえで、だまってたんだろ。
それで、今さら兄ちゃんを何とかしてくれって? お前のツラの皮は月刊少年ジャンプ?
なァ、餡。こっちこいや、別に床が濡れてもかまわねーよ」
「あら…いつ、気が付いたのかしら?」
「最初っから」
餡はベランダから入ってきた。髪も顔も着物も、ビチョビチョに濡れていた。
元々青白い顔は、さらに白くなっていた。
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