「俺、大丈夫」と言う奴に限って全然大丈夫じゃない

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高杉一派の船室、似蔵は部屋の中央にあぐらをかいて座り、また子は仁王立ちをしており、武市は外を眺めていた。 「こっぴどくやられたものですね。 紅桜を勝手に持ち出し、さらにそれ程の深手を負わされ逃げ帰ってくるとは。 腹を切る覚悟はできていますよね、岡田さん。」 似蔵の右腕には包帯が巻かれているので、左手で紅桜を持っている。 「片手を落とされても、コイツを持ち帰ってきた勤勉さを評価してもらいたいもんだよ。 コイツにも、いい経験になったと思うんだがねェ。」 「アンタの最近の身勝手ぶりは、目に余るものがあるッス。幕府の犬に紅桜の存在を知られたら、どうするつもりですか。 アンタ、晋助様の邪魔なんスよ。 しかも、桂の次は坂田銀時? 晋助様を刺激するような奴ばかり狙って、一体何考えてんスか。 アンタ、自分が強くなったとでも思ってんスか。 勘違いすんじゃないよ。アンタが桂に勝てたのは、全て紅桜の…。」
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