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第一話
チュンチュン。
「なんだ、もう朝か。」
いつも通りの時間帯、俺は小鳥のさえずりを聞いて起きた。
俺の名前は、朝木 清太(あさぎ きよた)今年から高校生になったばかりのどこにでもいる普通の男の子だ。通常ならば、母親が起こしに来たりするのであろうが、俺に家族はいない。
物心ついた頃から両親はいなかった。
生きているのか、死んでいるのかさえ分からない。しかし俺は今一戸建ての家に住んでいる。一人で暮らしには広すぎる家だ。そのせいで小さい頃は、よく泣いていた。
今ならばわかる、“一人”“孤独”現実味を帯びたこの言葉は、幼いころの俺には重すぎたのだ。
ただ無性に。
この家のローンやら何やらは、全て
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