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―男、黙り込む。
天使A「ですから私達がお迎えにあがったというわけです。」
天使B「(にっこりと)ご理解いただけましたか?」
男「いや、全然。」
天使A「でもあなたは幸せ者ですよ。あなたの死後の行き先は天国です。」
天使B「これは正式な調査を踏まえた会議の結果ですから安心してください。」
男「ちょっと、勝手に話を進めないでくれよ!」
天使A「地獄はすさんだところですからね。」
天使B「うんうん、暗いし、住民はがさつで卑劣で…ほんと最悪。」
天使A「だからですね。ほんっとうにあなたは幸せ者なんですよー。」
天使B「さて、立ち話も何ですし、そろそろ向かいましょうか。」
男「え、向かうってどこに?」
天使A「どこってもちろん天国ですよ。何を聞いてらっしゃったんですか?」
男「天国ったって、信じられるわけないだろ!?」
天使B「そんなこと言われても…。信じてもらうよりほかありません。」
天使A「まぁ、行けばわかりますよ。(男に手を差し伸べて)さ、行きましょう。」
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