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「今日から里外任務だったか」
まだ当分の間、陽は昇らないだろうと思われる時間帯に仕度を始めた相棒に白々しくもそれっぽく話し掛ける。辺りは当然闇、闇。
「ああ、任務自体はたいしたことないが、やたら時間がかかりそうで面倒だ」
起こしちまったかとどこか済まなそうに言った、闇より漆黒の相棒に笑って見せる。別にいいんだ、オレが見送りたかっただけだから。今回は、特別。
「そうか、気は抜くなよサスケ」
「分かってる。それにしてもオレ単独任務なんて腹立つな。普段はオレとお前のツーマンセルだってのに」
「そういうな。たまにはこんなこともあるさ」
「…お前としばらく会えないなんて、火影はオレのことを殺したいんじゃないのか」
「なんでそうなるんだ」
「オレはお前がいないと死ぬから」
「…お前はいつから兎になったんだ」
「お前と出会った時から、ずっと」
「……」
自分に対してのコイツの執念はもの凄くしつこく時に狂気に成りえることすらあると知っいる。だからといって、任務に支障が出る訳でも無かったし。特に問題無い。そうやって来て今に至る訳だ。が、コイツはオレが居なくなってからはどう生きていくんだろう。
失うもののない人生
というか、生きていけるのだろうか。……まさかの後追い自殺なんかしないよな。…いやコイツなら遣りかねないかもしれない。
「…まぁ、気を付けてこいよ」
「ああ、ナルト、」
「なに」
顔を上げたらいきなり被さって来てオレの口にコイツのそれが覆っていた。その内口を割ってねるりとした異物が入ってきて口中を犯してきた。なんてことは無い、こういう行為だっていつものことだ。コイツが求めてくるから、拒否しない。それだけのことだ。
「愛してる」
「…それ相手女だったらきっと泣いて狂ったように喜ぶんだろうな」
「お前だけだ」
……オレの言葉は完全無視か。いい度胸してやがる。ほんとに。そんなアッツイ眼されてもオレ、男だからお前の子供、産めねぇよ。そういうの、里の女にやれって。ていうか、もう行けよ。任務放棄する気か。
「ハイハイ、総隊長の仰せのままに」
「頭の中読むな」
「じゃ」
「サスケ、」
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