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いっしょう。最後に聞くこととなった言葉は随分クサかった。自覚あったのかなかったのか。あるいはどっちでも良かったのだろう。あの男のことだ。アイツの消えたドアをオレはずっと眺めている。どこか客観的に。やっぱり、やっぱりお前は大馬鹿ヤローだ。最後まで馬鹿な奴だった。オレに構ったりしなかったら、今頃は友と呼べる仲間がたくさんかは分からないけど、出来ていただろうに。オレはアイツの人生を、そうとは気付かずに狂わしてしまっていたらしい。オレ自身は、始めから失うものなんてなかったけれど。それこそオレ自身の人生だって。それだけのことだ。
「うずまきナルト」
御丁寧にわざわざドアから侵入して来てくれたオレの暗部での部下の奴ら。暗部がドアから出入りってどうだ。家宅侵入だって犯しているが奴らにとってバケモノの家。関係無い。
「お前に上層部から満場一致で処刑の許可が下りた。抵抗は無意味だ。今ここで死にたくなければ大人しくついてこい」
ていこうなんてしないよ。だってオレはつかれた。ほんとはもっとはやくむかえがくるとおもっていたけど、じいちゃんがかんばっていてくれてたみたいだ。ありがとう。
じいちゃん。サスケ。もういいんだ。じゅうぶんだよ。ふたりともじゆうにいきてほしい。オレがいなくなったらはやくわすれてほしい。ひとりこのせかいからひみつりにひとがきえる。オレがいたこんせきのひとつすらのこらない。それだけのことだ。
暗部の部下に突き飛ばされてオレはドアの外へ出た。正確には転がった。もうこのドアから出入りすることはない。サスケを待つことも、約束を守ることもない。ゆっくりとサスケが出て行ったときのようにドアが閉まった。そのドアが再び開けられるのは、何も知らないサスケの手によってだった。
Fin.
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