4人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
一人になると私は、側にかあさまの気配がしたので、小さな声でかあさまを呼んだ。少し離れた茂みから銀の狐が顔をだす。
「かあさま…私、どうしたらいいの?」
私の問いにかあさまは、
『貴方がいきたいようにいけばいいのよ。』
と答えてくれる。そして、
『義父さまがおっしゃっていたの。貴方には大切な運命がある…と。だから、貴方の思うようになさい。私たちはずっと貴方を守っているから。』
私はかあさまを抱きしめた。
「私の運命って?」
『私には、分からない。でも、何処に居ても貴方は私の可愛い娘よ。』
小さい子を慰めるようにかあさまは私の頭を撫でた。
『さぁ、行きなさい。』
私は、後ろ髪を惹かれる思いでその場を離れた。
最初のコメントを投稿しよう!