自分について。

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俺。 俺には好きな人がいる。 彼女は学校で俺の斜め前の席に座っている。 つまり、俺は彼女を授業中ずっと見ていても気付かれない席にいる訳だ。 その事を思うと、なんて素晴らしい席に当たってくれたんだ!、と、彼女の隣の席になれなくて凹んでいた過去の俺を称賛してやりたい気持ちにかられる。 あぁ、一応言っておくが、俺は彼女のストーカーとかそんなものではない。 断じて違う。 彼女を遠くから見守っていたい等と、そんなことをほざくつもりは毛頭ない。 が、彼女に話しかけると言っても、なんというか、その、タイミングが掴めないし、そもそも俺なんかが彼女に話しかけていいのかとさえ思ってしまうのだ。 例えば、授業中、真面目に授業を聞く生徒、友達と手紙を回している生徒。 いろんな事をしている生徒がいる中、彼女は何時も、姿勢は正していながら授業なんかは全く聞いていないようで、窓の外を詰まらなそうに見つめていたりする。 それでも、テストなどではいつも上から一番か二番だというのだから、全くもって褒め言葉しか出てこない。 それに対し、俺の成績は中の中つまり、真ん中ぴったりだ。 両親や友達には、何で毎回毎回真ん中ぴったりなんて狙えるんだ、と呆れを通り越し感嘆までされている所存。 とにかく、そんな俺が彼女を振り向かせるなんてことはかなり不可能に近いということなのだ。そういうことだ。
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