エピローグ

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         **         それは不思議な手紙だった。 自分は書いた覚えがないのに、 とても心に響いて共感を覚えるものだった。 それが自分の弟と この手紙を宛てられた人物の名前が 単に一致していたからなのか、 それとも他にも要因があったからなのか。 それは彼女には分からなかった。 「お―――――い、リン! 母さんが早く帰って来いってさぁ――――!!」 後ろから彼に呼ばれ、 彼女は手に持っていた紙を丁寧に折りたたみ、 小瓶はもう一方の手で握って 彼の元へと走っていった。 「電話、お母さんからだったんだ?」 「ん。 そろそろ飯できるから さっさと帰って来いってさ。 …………ってか、お前何拾ってきたんだよ?」 「え~? 何だろう、手紙かな? だけど最後の部分は文字が滲んで もう読めなくなってるんだよね………。 瓶は浸水していないのに…………。 不思議ね。」 「ふぅん………………。 にしても、そんなもん拾ってくるなんて、 リンもモノ好きだな?」 「……………なによ、音楽ばかが。」 「な………!! お前、音楽ばかにすんなよ!!??」 「別に音楽はばかにしてないわよ??」 「何を―――!!? んじゃ僕の方がばかだって言うのか???」 ぎゃあぎゃあと騒がしくケンカする二人。 しかし、どころか楽しげに見える二人は そのまま家路へとついていくのであった。   
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