エピローグ

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――――レンへ。 私なんかを助けてくれてありがとう。 今はレンに言われた通り、 オルシアに行って、ルイのお家に お世話になっているわ。 みんな、とってもいい人達よ。 レン、覚えてる? 私とレンが離ればなれになったあの日、 最後に王の間でレンは私にこう言ったよね。 「立派な王女になって下さいね。」って。 それなのに、私は約束を守れなかった。 立派どころか、どんどん"悪"と 呼ばれるようなことばかりしていったわ。 きっとレンが今の私を見たら叱るだろうな、 って何度も思ったことがあったな………。 それから私が王位についてから レンが私の目の前に現れた時、 本当に驚いたわ。 だけど、レンは私のことを叱るどころか、 また昔みたいに優しくしてくれたね。 レンはとても大変な思い とかしていたはずなのに………。 レンが優しくしてくれて、 私はその優しさにたくさん甘えちゃったね。 私はいつもわがままばかり 言ってレンを困らせてた。 だけどそんなわがままでも、 レンはいつも私の為に 何でもしてくれたよね。 あの時だってそう…………。 緑のあの娘のこと、本当にごめんなさい。 きっと私の知らない所で たくさん泣いたりしたんでしょ? 私は、大好きな人がいなくなってしまう 悲しさを知っていたのに…………………。 レンにもっと酷いことをさせてしまった。 謝って済むとは思ってないわ。 だけど、今の私には これしか言えないから………。 レン、ごめんね。 私はレンがとっても好き。 いっつも二人で一緒だったし、 レンが傍にいてくれたから 私は幸せだったの。 レンがいなくなってしまってから、 私はたくさんの事に気付かされたわ。 私が犯してきた罪も。 こんなお姉ちゃんでも、 レンは私を好きだ、って言ってくれて とても嬉しかったわ。 ありがとう、レン。 そしてごめんなさい。 私も、もしも生まれ変われるならば――――――――――――――――――――――――――――――― ――――――
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