川村靖子

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結婚して7年目、ようやくわたしに赤ちゃんができました。知らせを受けたとき、わたしは天にも昇る気持ちでいっぱいでした。 これで、あの人も喜んでくれるだろう。わたしのことも、きっと大切にしてくれるだろう。そう思って、主人に話しました。 なのに………。 「俺は子供が大嫌いなんだよ」 主人の返事は、それでした。 そして、わたしのお腹を蹴りつけたのです。何度も何度も。 わたしの赤ちゃんは、流れてしまいました。 たくさんの、たくさんの涙が出て、枯れ果てて、わたしは黙って家を出ました。
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