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その刹那、篤は左腕に熱の発生を感じた。
「ええ~!
つまんないの、令呪使って宝具しまわせるなんて……」
アーチャーは、またもやつまらなさそうな顔で篤を見ている。
篤は何が起こったのか分からない。
ただ、左腕が熱かった。
はっ、と熱源の自分の左腕を見ると、入れた覚えのない、不思議な模様の入れ墨が光っていた。
「いい?篤?
それは、令呪。私への絶対命令権よ。
三回までだけど、あんたは今使っちゃったからあと二回。
更に、二回使ってそれがなくなったら、私のコントロールはできなくなって……、」
あんたを殺して消えるからね。
笑顔で、不気味なことをいうと、彼女はまた、好奇心のままに動き出す。
「なんだろう?
あっちの方向に面白そうなものがある気がする。
……行ってみよっか、篤?」
「え?いや?今、何時だと……あああー!」
アーチャーは、神のつくりし細腕で篤を抱えて、三階の窓から飛び降りる。
アーチャーが、地面に着地し、篤を下ろした。
胸の動悸を抑えながら、篤は高志のことを考えた。
あいつも、召喚したのかなぁ。
噂を教えたの俺だし、あいつ、願いが叶うなら、絶対しそうだもんなぁ。
篤は、まだ、気づかなかった。
高志と戦う運命にあることに……。
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