ランサー

6/8
前へ
/36ページ
次へ
「ランサー止めなさい。 ……お父さんちょっといい? ランサー、待ってて」 「しかし……」 「いいから!お父さんはマスターじゃないわよ」 「はあ……分かった。マスターの仰せの通りに」 そうして、二人は廊下に出て、この家の大黒柱の書斎へ向かった。 「睛……。父さんは訳がわからない。 あの男は誰だ? どういう奴なんだ? 本当に原田佐之助なのか?」 「うるさい!詳しくはお父さんの書斎に着いてから!」 大黒柱は、勢いに押された。 沈黙……。 沈黙………。 沈黙…………。 沈黙……………。 そんなこんなで、書斎に着いた。 睛は、すぐさま1つの本を本棚から抜き取った。 本の名前は、「冬木の聖杯戦争」。 大黒柱は、書斎の本を全て暗記している。 「え?睛……。 それは……」 大黒柱は、その本を読んだ記憶があった。 たしか、冬木という街で行われている、願いの叶う聖杯を賭けた魔術師たちの戦いについて書かれた本。 「私ね、この本を読んだの。 そしたらね――、」 ――この街でも、今年、一回限り行われるって書いてあったから、サーヴァントを召喚したの。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加