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「ランサー止めなさい。
……お父さんちょっといい?
ランサー、待ってて」
「しかし……」
「いいから!お父さんはマスターじゃないわよ」
「はあ……分かった。マスターの仰せの通りに」
そうして、二人は廊下に出て、この家の大黒柱の書斎へ向かった。
「睛……。父さんは訳がわからない。
あの男は誰だ?
どういう奴なんだ?
本当に原田佐之助なのか?」
「うるさい!詳しくはお父さんの書斎に着いてから!」
大黒柱は、勢いに押された。
沈黙……。
沈黙………。
沈黙…………。
沈黙……………。
そんなこんなで、書斎に着いた。
睛は、すぐさま1つの本を本棚から抜き取った。
本の名前は、「冬木の聖杯戦争」。
大黒柱は、書斎の本を全て暗記している。
「え?睛……。
それは……」
大黒柱は、その本を読んだ記憶があった。
たしか、冬木という街で行われている、願いの叶う聖杯を賭けた魔術師たちの戦いについて書かれた本。
「私ね、この本を読んだの。
そしたらね――、」
――この街でも、今年、一回限り行われるって書いてあったから、サーヴァントを召喚したの。
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