セイバー

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「でも、セイバーっていうのは、 剣の英霊なんだろ!? 剣を持っていないじゃないか?」 もっともだ。 このセイバーは剣を持っていない。 それどころか、妹の、か弱い姿をしたものが戦えるのだろうか? ――私は、確かに、剣を持たない。   しかし、私がセイバーである所以は、私そのものが、剣であるから……。 言葉という強力な剣……。 その剣は、時に人を傷つけ、 その剣は、時に人を死に至らしめ その剣は、時に人を祝福し、 その剣は、いつも人を導いてきた。 故に、その剣は……最強。 「つまりは、お前を武器に、俺が戦うのか?」 ――不甲斐ないですが、そういうことになります。 しかし、私には、対魔力では対抗できない、言葉の力そのものを使った、魔術を越えた魔術を使えます。 たとえ、貴方が剣術に疎くても、私は、貴方を勝利に導く自信があります。 その言葉にも、魂が籠っていた。 「分かった! お互い頑張ろう! そして、よろしくな!セイバー!」 ――はい。 こうして、一人の少年が、足を踏み入れた。 聖杯を手にいれるために!
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