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コーヒーを飲んで一息つくと、和泉から電話がかかってきた。
「もしもし?」
『あ、仁ちゃん?』
「おぅ、どうした?」
『今日さぁ、僕泊まりで仕事入っちゃって、帰れないから。』
電話の向こうからは、忙しそうな声が聞こえる。
おそらくスタッフだろう。
『あと、香奈ちゃんも新薬研究で帰れないみたい。』
「わかった。がんばれよ。」
『うん。1人で寂しくても泣いちゃダメよ?(笑)』
「うるせー。育海も帰ってきたし、大丈夫だよ。」
『え………?』
声のトーンが変わった。驚いた声をしている。
『そ…そう……。じゃあ育海ちゃんにも言っておいてね。』
―ブチッ ツー ツー
何だったんだ?
「仁、どうした?」
「いや、和泉と香奈は今日帰らないってさ。」
「ふぅ~ん。じゃあ今日は俺たちだけか(笑)」
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