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時刻は午前10時・・・約10分前・・・
駅の噴水の前にことりの姿があった。
(あと、10分だ・・・)
「あれ?楠木さん?」
バス停の方から壮大が近づいてきた。
「あっ、壮大くん。お、おはよう。」
「うん、おはよう。
早いね~待ち合わせは10時だよね?
って、もしかして、待たせちゃった?」
「ううん!!大丈夫だよ。
私もさっき来たところだから」
ことりは、ありがちな嘘をついた。
本当はすでに30分は待っていた。
「ことりちゃん!!おはよ!」
壮大の後ろからルルは、ひょっこりと顔を出しにっこりほほ笑んでいる。
「あっルルちゃん・・・おはよう。」
ことりは、若干引きつった笑顔で応えた。
「それじゃぁ~行こうか。まずは、服見に行こうか・・・」
「うん。」
3人は店に向かった。
「ん~この間のと同じ感じのあるかなぁ~?」
店内で服を見ながら壮大がことりに聞いた。
「あっ、壮大くんはどんなの好きかな?」
「僕?」
「うん、せっかくだから、壮大くんに選んで欲しいな~って・・・」
ことりは、ちょっと照れながら言った。
「ん~良く分からないんだけど、
この間のと同じでやっぱ白っぽいのがいいなぁ~」
「うんうん。」
(良かった。白好きなんだ~)
「前のはワンピースってヤツだよね~」
「うん。」
「どうする?ワンピースにする?」
「ん~他の方が好きかな?」
「ん~どうかなぁ~
あんまり知らないからなぁ~
女の子の服は・・・;」
「ねぇ~ことりちゃん!」
ルルがことりの服を引っ張って呼んだ。
「な、何かな?」
(今度は何する気?もう油断しないんだから・・・)
「これ似合いそう。」
そう言うと、手には白いプリーツスカートを持っていた。
「ありがと~ルルちゃん。」
(これは・・・結構カワイイ?でも・・・短い・・・よね・・・)
「ん~でも、これは・・・ちょっと、み・・・」
「ルル選んでてくれたのか?」
「うん。お兄ちゃん困ってたから!」
「そっか~ありがとなぁ~」
壮大はルルの頭をなでている。
「楠木さん、それってどうかな?結構カワイイと思うんだけど・・・」
「え?うん。カ、カワイイよね。これにしようかなぁ~?」
(・・・あんまり短いスカートって履いたことないんだけど・・・ってか恥ずかしい・・・)
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