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鞠也様は偽りの詰まった胸(偽パイ)を張り、
「当然だ。それが俺のクオリティだからな」
極めて矮小(ワイショウ)な器に、乾杯を。
「おっしゃる意味が解りませんが、まぁいいでしょう」
ここでテキトーに納得しておかなければ、埒(ラチ)が明かないのは業火を直視するより明らかですから。
閑話休題。
「で、いつこの環境汚染の塊をSWATで撃ち殺しゃいいんだ?」
「環境汚染物は、物理的な攻撃では無理です。自然淘汰(トウタ)を待たれる方が無難かと」
鞠也様はいかにも汚物を見るような視線で、自分の机の壁に黙々と『荒れ狂うフンドシ』という掛け軸を取り付けるかなこ様を眺めました。
こう言うのもなんですが、今の鞠也様の心境は解らなくもありません。
この状況は私達の目にとても芳(カンバ)しくありませんし。
絵面(エヅラ)的にも。
「自然淘汰なんか待ってられっか。こうしてる間にもコイツ(カナコ)の汚染は蔓延(ハビコ)るばかりじゃねぇか」
「それはそうですね。では、鞠也様」
「あん? なんだよ」
「打開策を考えて下さい」
「遂に従者が主を使役するようになったか」
「世の中は斬新という食べ物に飢えていますから」
「そんなシュールに主従を越えたハングリー精神は創作だけで十分だ」
鞠也様の清廉(セイレン)な容貌(女装)で、豪快に後頭部をボリボリ掻(カ)くその光景もシュールですが。
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