969人が本棚に入れています
本棚に追加
/289ページ
土曜日の昼過ぎ。
みんなで昼飯を食べた後に俺と聖夜さんがゲームで遊んでいたら、終夜が言った。
「翼、いつも同じゲームしかやんないのな」
あっ、出た。究極奥義。
咄嗟にガード体勢に入り、ダメージゲージが上がるのを息を飲んで待つ。
聖夜さんのお気に入りキャラ、ブラックキリエルは究極奥義のダメージ率がかなり高い。
最終奥義より溜めるゲージ少なくてダメージも高いから、まともに喰らったらライフゲージが一気に赤くなる。
「うあぁ、堪えろ、堪えろ!」
「観念しろ、ツン!」
じりじりと上がって行くダメージゲージ。
それが100%に達した瞬間、俺は目にも止まらぬ速さで左右の指を動かした。
「げっ!」
ホワイトサリエル、最終奥義発動!
「きっ、きたねえぞツン!」
サリエルの最終奥義は、操作キャラが必殺技なんかを発動してる最中に繰り出すと、相手の技がそのまま相手へのダメージになる。
究極奥義発動中のキリエルは、自分の技とサリエルの最終奥義になすすべなく、空中であうあう状態。
997、998、999…あっという間に1000Hitを越えて、キリエルの断末魔の叫びが響いた。
最初のコメントを投稿しよう!