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結局のところ、色々と事件は起きたけど全て丸く収まった。
しばらくの間はルルさんを直視できないくらい恥ずかしかったけど、最近はやっと俺の下も落ち着いてきたんだ。
そんなある日の夜、夕飯を食ってる時に聖夜さんの携帯が鳴った。
「おう、なんだ。え?…はっ?ちょ、誰が?…はぁっ!?」
慌てる聖夜さんに、俺達の視線が集まる。
「今すぐ捕まえろ!」
「どうしたのかな」
不安になり、終夜に問い掛ける。終夜も首を傾げて俺を見た。
聖夜さんのただならぬ慌てっぷりに、ルルさんも食事の手を止めた。
「揉め事?」
携帯を切った聖夜さんに、終夜が楽しそうに尋ねる。
「いや、大丈夫…」
「…大丈夫なのか?」
ルルさんが言うが、聖夜さんは引き攣った笑顔で「うん」と言った。
すごい小さい声だった。
後で知ったのは、聖夜さんに20冊買わされたあの生徒が、ネットでそれを売っていたということ。
結局それは翌日にはバレて、聖夜さんは再びルルさんの制裁を受けることになる。
だけどそんなこと今の俺達が予測できるはずもなく、いつもと変わらない楽しい夜は更けてゆくのだ。
end
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