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 「上條っ!」 涙で濡れた声で叫ぶと 上條がスタスタと近づいてくる。  「こんの、バカがっ!!  何1人で出かけてんだ。  まだ病み上がりのくせに‥‥」 ガツンと頭を殴られて 拍子抜けしてしまう。 そこは  「怖かっただろ‥  俺がいるから大丈夫だよ」 なんて言って 抱きしめるとこでしょ!?  「っ、えぐっ‥‥、  ご、ごめんな、さいっ‥‥!」 安心したのかボロボロ流れる涙。 そのせいでうまく話せない。  「ったく‥‥心配かけやがって‥」 そう言って抱きしめてくれた腕は どこまでも優しかった。 .
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