―価値観―

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でもこの時の私は 弱かった―… 苛々させないように 不機嫌にならないように 全ては無事、我が子を 誕生させてあげる為に。 実家に着いて 両親に子父を紹介した。 けどなかなか 妊娠の話が出来ずにいた。 車内では 『俺は色々挨拶する事を 考えてるんだから お前は俺の名前位 紹介してよ』 って言ってたから 私も聞いた事ないような 嬉しい台詞 言ってくれるのかと 思ったんだけど 何1つ言わなかった。 父親が用事がある為 出掛けてしまい 結局母親にだけ 私から妊娠した事を告げた。 それでも子父は 緊張しているのか 人事のような態度で 母親からの問い掛けに 曖昧な返事をしていた。 母親は反対しなかった。 『父にメール入れな。 妊娠の事と来週また 来ること』 帰り道父親に連絡した。 返事がすぐ届いた。 『郁が幸せになるなら いいんじゃないの コブ付きで 返されないように 頑張って~』 2人でホッとした。 両親は理解してくれた。
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